熱中症とは – 熱中症の予防法

熱中症の予防法

予防に対する知識を身につけ、適切な処置を施せば熱中症は防ぐことができます。こまめに水分・塩分を含んだスポーツドリンクを補給する事はもちろん、日頃の体調管理が大切です。
また、暑さを数値で表した「熱中症予防指針」を目安に、休憩や水分補給のタイミングを計ってください。

水分・塩分をこまめにとる

汗を出して体内の熱を外へ逃がすためには、水分は必要不可欠です。
脱水症状を防ぐために、のどが渇いていなくても水分の補給を心がけましょう。
但し、ビールなどのお酒(アルコール)は、利尿作用により体内水分を摂取量以上に排泄してしまうため、水分の補給にはなりません。

大量に発汗する運動や作業時には、水分と同様に塩分補給が重要です。0.2%程度の塩分を含む水分を補給するように心がけましょう。

室内でも空気の乾燥や高湿度などにより、気がつかないうちに脱水症状を起こしている場合があります。油断せずに水分の補給を心がけましょう。

休憩できる環境を作る
熱中症の危険度情報を共有する

がんばり過ぎず、休憩できる時間を確保するように努めましょう。

暑さ指数(WBGT)表示器などを設置し、全員が熱中症危険度を認識し、事前の予防ができる環境を作りましょう。

炎天のもとで運動や労働を行う場合、いつでも避難できる休憩場所の整備が必要です。近くに日陰や涼しい休憩場所を確保するよう努めましょう。

スポーツドリンクや体を適度に冷やす事ができる氷などをクーラーボックスなどに入れ用意しておきましょう。冷水器やスポットクーラー等の設置も有効です。

日常の体調管理

夜更かし・睡眠不足・前日の深酒・二日酔い・朝食を取らないなどの体調不良は、熱中症の発症に影響を与える恐れがあります。健康管理をしっかり行いましょう。

普段より軽い運動をして汗をかき、暑さに慣れておきましょう。
(暑さに慣れていないときは、より慎重に行動しましょう。暑さに慣れるには約1週間を要します。)

通気性のよい着衣を身につけましょう。

WBGT(暑さ指数)の活用

暑熱環境の指標として、労働や運動時の熱中症対策に用いられている暑さ指数WBGT(Wet Bulb Globe Temperature/湿球黒球温度)を活用し、現場の暑熱の状況を把握しましょう。

WBGTは1989年にISO(国際標準化機構)により「WBGT指数および作業者の熱ストレスの評価」としてISO7243が規格化され、1999年にJIS(日本工業規格)においてもJIS Z8504として同様の規格が作成されました。
2017年には黒球を有する湿度センサー型の電子式WBGT測定器を対象としてJIS B7922が規格化されています。

職場における熱中症の予防については、JIS Z8504が約20年ぶりに改正されたこと等により、厚生労働省が「職場における熱中症予防基本対策要綱」を定めています。これを元に毎年「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」が実施されています。